「松商で甲子園」の夢実現 9年前の応援席で出会ったコーチャーの2人
2025/08/08
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「松商で甲子園」―。小学校3年生だった平成28(2016)年夏、そう心に誓った2人が9年の月日を経て、松商学園のメンバーとして甲子園の舞台に挑む。
背番号10の丸茂優寿基(3年)と、背番号11の市村創多(同)。大会7日目(11日)の初戦では丸茂は3塁コーチャー、市村は1塁コーチャーを担う予定だ。中学時代に所属した松本南リトルシニアでバッテリーを組んだこともある相棒同士。練習に打ち込む傍ら、勝利につながる1点を呼び込むための判断力に磨きを掛ける。
ともに明るくポジティブなムードメーカー。長野大会でもコーチャーを務め、人一倍声を張ってきた。対戦相手の動画やシートノックで、投手がけん制する時の頭や足の動き、捕手の肩の強さや野手の守備位置などを細かく観察し、互いに情報を共有。時には投手の表情や、審判の反応も判断材料にする。
2人が出会ったのは平成28年夏の長野大会決勝。松商学園の主戦が丸茂の兄、捕手が市村の親戚で、スタンドから声援を送った。優勝はならなかったが、最後まで戦い抜いた勇姿が2人の心に火を付け、松商学園で甲子園を目指す原動力になった。
夢が現実となり、試合は目前に迫る。「一瞬の隙を逃さず指示を出す」と市村。丸茂も「受け身にならずに攻めた判断をする」と力を込める。チームの勝利のため、二人三脚で万全の準備を整える。