熊の目撃 塩尻市内で急増 7月以降20件超 市などが注意呼び掛け
2025/08/07
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塩尻市内で熊の目撃情報が増加している。市に寄せられた情報は7月以降21件(5日現在)で、近年では特に多かったという昨年同期の15件を上回る。林野と人里の境界付近での目撃例が目立つ。多くの野菜や果樹が収穫期を迎えるほか、夏休みでアウトドアレジャーを楽しむ人も増えることから関係機関が注意を呼び掛けている。
市耕地林務課によると、直近では5日午後6時15分ごろに宗賀の国道19号・尾沢橋付近、3日午前7時ごろに洗馬の下小曽部集落センター付近で熊が目撃された。7月31日には尾沢橋近くの畑で熊のものとみられる足跡が見つかった。
目撃情報の増加を受けて市は、熊がいた場所や時間などを伝える緊急メールの配信先を、目撃された場所の近隣に住む人だけでなく、市内全エリアの登録者に拡大して注意を促している。塩尻警察署もパトロールなどの警戒活動を強化している。
県などによると、夏は山に餌が少ない時期で、熊はアリやハチといった昆虫を食べるほか、林野近くにある畑でトウモロコシといった農作物も狙う。目撃情報の件数は毎年、6月から増加して収穫期を迎える農産物が増える8月がピークとなる。
市耕地林務課は、熊との遭遇、被害を避けるため、①生ごみを家の外に出したままにしない②ハチの巣は撤去する③朝夕は特に単独で林野に入ることを避ける―といった対策を呼び掛けている。