松本・島内山田の滞在型農園 令和10年開園へ テレワーク環境を充実
2025/08/05
後で読む
松本市が島内山田の丘陵地帯に整備する「山田地区クラインガルテン(滞在型市民農園)」の利用開始が、当初予定していた令和9年4月から1年遅れる見通しになった。新築する交流棟に、オフィス以外で柔軟に働くテレワークスペースを追加することや、埋蔵文化財の調査期間が延長されたため。地元の島内山田町会はテレワークスペースの追加で利用しやすい環境が整い、交流人口が増えることを期待している。
クラインガルテンの整備は、一般廃棄物最終処分場・エコトピア山田の再整備に伴う地域づくり支援の一環で計画された。「松本青年の家」の解体跡地から、芥子坊主農村公園付近までで、滞在型市民農園は計25区画(1区画300平方メートル)を整備する。
交流棟は青年の家の解体跡地に建設する計画で、2階建て延べ床面積約600平方メートルを想定する。地元との協議で、テレワークスペースを追加することになり、延べ床面積は当初より約200平方メートル大きくなった。展示・販売、交流、避難所の機能も持たせる。
交流棟にテレワークスペースを増加するため、先月の市議会臨時会で可決された補正予算で、建築実施設計委託料429万円を増額した。設計業務の完了は令和8年度となるため、7年度予算の一部を減額し、8年度までの債務負担行為を設けた。
島内山田町会の人口は31世帯・75人で過疎化が顕著だが、クラインガルテンの整備が地域活性化につながることを期待する住民は多い。利用者が定住を希望する場合、一定の条件を満たせば宿泊棟や土地の売却を可能にすることも視野に入れる。大沢明町会長(72)は「リモートワークのスペースを確保することでこれからの時代に対応した施設にし、滞在型だけでなく定住型も目指したい」と話している。
