山形村で17日まで原爆の絵展 広島の高校生制作
2025/08/05
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昭和20(1945)年8月6日に原子爆弾が投下された広島の被爆者の体験談を基に、広島市の高校生が描いた「原爆の絵」の展示が17日まで、山形村のミラ・フード館で行われている。原爆がもたらす被害の悲惨さや実相を伝え、平和の尊さを次世代につなごうと、村民有志でつくる「平和の尊さを引き継ぐ山形村の会」が戦後80年に合わせて企画した。
原爆の絵は広島平和記念資料館の取り組みで、広島市立基町高校の生徒が平成19(2007)年から毎年、被爆者の証言を聞き共同制作している。今回は同館所蔵の複製画の中から33点を展示した。
高校生が被爆者の話を丁寧に聞き取り、被爆時の光景を克明に表現している。焼け付くされた街の惨状、皮膚がはがれ全身膨れ上がった人で埋め尽くされた川、黒焦げになった子供を抱えながらさまよう母親などが描かれ、言葉では言い尽くせない被爆の残酷さを伝える。「地獄のようだった」と1枚ずつ証言も添えられている。
画家で会事務局の百瀬邦孝さん(77)=下竹田=は、過去に所属する美術団体が主催した原爆の絵の展示に携わったことがあり「絵に衝撃を受けた。被爆者の心の奥にある光景や思いが表現されている」と話す。核兵器廃絶の動きが揺らぐ国際情勢を踏まえ「戦後80年間培ってきた恒久平和への思いや、核廃絶の取り組みが覆されかねない動きがある。被爆の実相を伝える絵を見て、平和の尊さをあらためて考えてほしい」と願っている。
入場無料。開館時間(午前9時~午後10時)に見学できる。月曜休館。
