みそ熟成 伝統の天地返し 木曽町 小池糀店 桶の移し替え
2025/08/03
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木曽町福島の小池糀店の蔵人らが2日、同町日義にある熟成庫で、みその発酵を促す伝統作業「天地返し」を始めた。冬から春にかけて仕込んだみそを桶から桶へ移し替えることでうま味と香りを深め、均一の味わいにする狙いがある。
最も暑い時期にみそを空気と触れさせることで酵母菌の働きがより活発になり、大豆タンパクの分解が進むという。明治12(1879)年創業の同店では、みそ玉に糀の花を咲かせてから樽に仕込む技法とともに、この工程を150年近く継承してきた。
天地返しを待つみそは15トンほどあり、作業は7日頃まで続く。同店の唐沢尚之社長(54)は「お盆前に発酵のピークを迎えるための重要な工程。『待ったなし』です」と語った。
初日は、木曽川流域交流の一環として、名古屋生活クラブ(名古屋市)と市民団体「木曽川流域みん・みんの会」の10人余りが作業を手伝った。交流作業は10年ほど続いている。
