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2025年

平和の願い、詩歌に託す 塩尻文芸の会が戦後80年で企画展

2025/08/01
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 塩尻市を拠点に短歌や俳句の愛好者でつくる塩尻文芸の会は1~31日、同市下西条の西福寺のギャラリーで、「戦後八十年平和祈念文芸展」を開く。節目の年に、日ごろ創作表現活動をする同会が、言葉を通じて平和を発信する初の企画で、会員と趣旨に賛同した他団体を含む約100人が戦争や平和にまつわる自作の詩、短歌、俳句、書作品の計約200点を並べる。

中学生から高齢者まで戦争や平和にまつわる詩歌や俳句の作品が並ぶ

 中学生から高齢者まで幅広く出品している。戦争を知らない世代の広陵中学校の生徒は当時に思いをはせ、「笑い合う普通を襲った召集令頑張れなんて言いたくはない」と詠んだ。大人は「ヒマハリに敵と味方となかりけり」「電灯に黒布かけておびえつつB29の過ぎ去るを待つ」と、それぞれに平和を希求する思いをつづっている。
 戦後生まれの小澤婦貴子会長(77)=広丘堅石=は、父親が昭和18(1943)年に朝鮮半島の日本人学校に教師として赴任、陸軍に召集されたため、母親と兄姉が命からがら帰国した経験を兄の著書で知り、短歌にしたためた。「いろんな人の中に戦争の記憶や記録が埋もれていて、掘り起こし振り返る良い機会。経験を若い世代に引き継いでいくことが大事だ」と語る。
 開場は午前9時~午後4時。鑑賞無料。9日、10日は寺の法要のため休み。問い合わせは事務局の中野さん(電話090・7200・8511)へ。