安曇野市内の登山者用駐車場が混雑 三股登山口や穂高駅前など 路駐・タクシー不足も課題
夏山シーズンが本格化し、安曇野市内各地にある登山者用駐車場が例年より混雑している。北アルプス・燕岳、常念岳の各方面のアクセス道路が、路肩崩落で一般車両が通行止めとなっていることが影響し、バスへの乗り換え場所や他の登山口の駐車場は週末を中心に軒並み満車状態だ。タクシー不足や路上駐車も発生しており、対策の強化が求められている。
北ア・蝶ケ岳の三股登山口付近には約200台を収容する三つの駐車場があるが、金・土曜の朝はほぼ満車だ。北ア方面の主要アクセス道路で唯一通行規制が掛かっていない上、好天続きもあって登山者が集中。多い日には幅の狭い林道の路肩に30台以上が止まり、駐禁の道路コーンをどけるマナー違反も見られる。市観光課は「ロープを張る場所を追加するなどハード的な対応が必要」とする。
燕岳方面の県道と常念岳方面の林道では崩落現場の復旧工事中で、交通手段はバスかタクシーのみ。このためバス停近くにあるJR穂高駅前(約160台)、有明山神社前(約60台)などの駐車場は例年より混雑している。
燕岳方面の定期バス「中房線」の乗客は例年より2割ほど多く、先日実証運行が始まった「三股線バス」の利用も好調だ。満員で予約できなかった登山者はタクシーを使うため、通院・買い物など街中の利用に回せる台数が不足し、待ち時間が40分に上るケースも発生しているという。
乗り換え用駐車場の混雑時は、市や観光協会が別の場所に臨時駐車場を設ける。しかし県外の登山者は土地勘がないため不安を感じて利用を避ける傾向があるという。観光関係者からは「複数の路線バスに乗り換え可能な広い駐車場を山麓線沿いなどに確保すべきだ」との声も出ている。
太田寛市長は24日の記者会見で「下(街中)で車を止めてバスで行くことを定着させたい」と話した。そのためにはバス利用の促進や安心して乗り換えできる駐車場の確保、大型車の通行に支障となる路上駐車の解消を並行して進める必要がありそうだ。
