県立こども病院内のWi―Fi環境拡充 家族ラウンジなど12カ所に整備
2025/07/29
後で読む
安曇野市豊科の県立こども病院は、患者家族が院内で利用できる無料Wi―Fi(ワイファイ)の接続可能エリアを大幅に拡大し、28日、本格運用を始めた。付き添いが長時間に及ぶことが少なくない家族らから、待合環境の改善点として強い要望が寄せられていた。

そば粉・小麦粉など製造・販売の日穀製粉(長野市)が昨年11月、創業80周年記念事業の一環で同病院へ寄付した1000万円の善意を導入費用に充てた。電子カルテや医療機器と干渉しない範囲を絞り、特に利用ニーズが高かった各階家族ラウンジをはじめ、「GACしろくま図書館」、外来待合場所など計12カ所に整備した。従来はエントランスとその周辺2カ所に限られていた。
病院は同日、設置開通式を開いた。稲葉雄二病院長は「必要性を認識しつつ、経営が診療報酬に左右される中、高額な費用を賄うのは難しかった」と感謝し、日穀製粉の小山紀雄会長は「気軽に通信できることが家族の安心感につながれば」と願った。