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2025年

LEDで鳥獣被害が防げる? 四賀の住民有志が水田で検証

2025/07/26
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 松本市中川(四賀地区)の両瀬町会の住民グループ「囲む会」(川久保清二会長)は、イルミネーションで使うLED(発光ダイオード)を水田に飾り、野生鳥獣被害を防止・軽減できるのか調べる独創的なプロジェクトを始動した。本年度から3年間、LEDの明かりがもたらす侵入防止の効果や稲の生育への影響などを検証する。効果が確認できれば地域活性化に向けた観光資源にもなると期待している。
 囲む会が冬に行っているイルミネーションがプロジェクトのきっかけになった。地元住民から「イルミネーションがあると生き物が近寄ってこない気がする」との声が寄せられた。効果があれば、野生鳥獣対策として一般的な電気柵と比べ費用が半額以下に抑えられる。休耕田を減らすことにもつながると考えた。
 地元の約1000平方メートルの休耕田を借りて5月にコシヒカリの苗を植えた。市の地域チャレンジ応援事業補助金を活用して、LEDの付いた長さ20メートルのコードを8本購入。今月12日に野生鳥獣の侵入口となりそうな土手に飾り付けた。
 囲む会によると、両瀬町会ではニホンジカによる食害が多い。イノシシが泥に体をこすりつけて稲をなぎ倒してしまう被害も見られ、米が臭くて食べられなくなってしまうという。
 プロジェクトの名称は「テラスファーム」で、地域を明るく照らしてほしいとの願いを込めた。川久保会長は「地域のつながりが、もしもの時に力を出し合うことにつながる。米がうまく育ったらみんなで食べたい」と成功を願っている。

土手にLEDを飾り付けた水田。3年間かけて効果を検証する