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2025年

早世の画家・須藤康花さんの生涯を映画に 京都の松浦さんら自主製作中

2025/07/24
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 松本市に私設美術館があり、死生観に立脚し心を揺さぶる多くの絵画を残した、早世の画家・須藤康花さん(1978~2009)の生涯を描く、自主製作映画「康花の世界」作りが進行している。康花さんの絵をはじめ、詩や生き方に感銘を受けた京都府舞鶴市の僧侶・松浦孝博さん(59)が、映画好きの仲間数人と製作委員会を立ち上げ、10月に松本市での上映会開催を目指して取り組んでいる。
 松浦さんは、県内のテレビ局が製作した動画で、康花さんの存在を知った。「若い女性が描いたとは思えないおどろおどろしい絵」や、死と隣り合わせで絵を制作する康花さんの生き方に深く興味を持った。
 康花さんの父親で美術館の館長だった正親さんに、映画製作の話をすると、協力の快諾を得て、取材した。その後、間もなく正親さんが病気で他界してしまい、松浦さんはショックを受けると同時に「絶対にいい映画を作ってやる」思いを強くした。
 映画は、康花さんの小学生時代から亡くなるまでが描かれる。取材で知り得た事実に基づき「できるだけ忠実に再現する」よう目指す。康花さんが絵や詩を制作するシーンも登場するという。
 本編は約90分で、最後に正親さんへのインタビュー映像も盛り込む。松浦さんは「康花さんが、しょく罪の意識という闇から解放され、最後に光を見いだすところに力を入れたい」と見どころを話す。
 製作費をクラウドファンディングで捻出する計画で、協力を呼び掛けている。問い合わせは松浦さん(電話080・6211・3141)へ。