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2025年

松本国際野球部のマネジャー・伊藤静寿さん 選手で同学年の「きょうだい」聖さんと支え合った3年間

2025/07/24
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 松本国際の準決勝敗退が決まった瞬間、3塁側ベンチで椅子に崩れ落ち、顔をタオルで覆ったマネジャー・伊藤静寿さん(18)=3年。7回に代走で出場した背番号15の聖さん(17)とは誕生日が10カ月違う同学年のきょうだいだ。中学生の頃から同じチームに所属し、互いに支え合ってきた。
 静寿さんは「甲子園を狙える学校で野球部のマネジャーをしたい」と、岐阜県から松本国際に進学。地元の高校と県外の強豪校で迷っていた聖さんも「強い学校で挑戦したい」と考え、偶然にも同じ高校を選んだ。
 静寿さんは当初、親元を離れる不安があったという。しかし「聖は目立つ選手ではないが、真面目にこつこつとやれてすごいなと思った。聖がいたからこのチームになじめ、チームが好きになれた」。弟に刺激を受け、今ではチームみんなから信頼される頼もしいマネジャーに成長した。
 7回から涙を止められなかった静寿さんだったが、敗戦後は気丈に振る舞った。悔しさをぐっとこらえ、泣き崩れる選手たちの背中にそっと手を置いて慰めた。そんな様子に「一緒に目標に向かってここまでやってこられた。すごく心強かった」と聖さん。静寿さんと一緒に仲間を励ました。
 試合後、静寿さんが「今までありがとう。すごく楽しかった」と語り掛けると、聖さんは「支えてくれてありがとう」と感謝した。照れくさそうに2人そろって笑い合い、情熱を燃やした高校野球を締めくくった。

試合後にベンチ前で整列する静寿さん。甲子園を懸けた夏が終わった悔しさをにじませた