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2025年

夏休み お寺で過ごそう 塩尻・常光寺で子供の居場所事業

2025/07/24
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美穂さん(中央)の指導で実験をする子供たち

 塩尻市上西条の常光寺(上條仙昌住職)で、夏休みの子供たちの居場所をつくる事業「夏の寺子屋」が行われている。より多くの人たちに寺に来てもらうきっかけをつくろうと、上條翔鳳副住職の妻・美穂さん(32)が小学校教諭として勤務した経験を生かして始めた。
 22日は地元の小学生ら9人が夏休みの宿題を進めたり、境内で咲いているアジサイなどを材料にした理科の実験をしたりした。広々とした庭で鬼ごっこをして遊ぶ一方、実験の後はみんなで協力して片付けた。
 塩尻東小学校3年生の一ノ瀬友里さんは「実験は泡がしゅわしゅわと出てきて不思議だった。知らなかった言葉もあり、勉強になった」と感心した。同3年生の小松紗矢香さんは「お寺で勉強するのは初めて。静かな感じがして集中できる」と話した。
 今春、寺に入ってから、葬儀や法事、檀家総代の会議だけでなく、もっと多くの人たちに寺を訪ねてもらう機会をつくれないかと考えた。東京都で8年間にわたり小学校教諭として勤務していた美穂さんの経験と、大勢が集える寺の環境を生かそうと寺子屋の実施を思いつき、地元の子ども会育成会や回覧板を通じて周知した。
 塩尻東地区センターでも子供を受け入れる事業があり、実施日が重ならないよう配慮した。寺が忙しい盆の期間を除き、夏休みの終盤までの実施を計画している。美穂さんは「子供たちが、のびのびと楽しく過ごしてくれる場所になっていてうれしい」と手応えを感じている。