松本市の参院選投票率 10~30代が大きく伸びる
2025/07/23
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20日に投開票された参議院議員選挙の松本市の投票率(県区)は59・05%で、令和3年の前回選比で3・82ポイント高くなった。投票日が3連休の中日という初めてのケースで低投票率が懸念されたが、物価高対策や外国人政策などの争点を巡って10~30代の投票率が大きく伸び、期日前投票者数が国政選挙で過去最多となったことも相まって全体を押し上げた。
10代の投票率は42・09%で前回選比7・15ポイント高、20代は48・13%で同11・69ポイント高、30代も59・84%で同10・56ポイント高と、いずれも大きく上昇した。一方で40代以上はほぼ横ばいで、これまでの選挙と打って変わって、投票率の低かった若い世代が多く投票に訪れた。市選挙管理委員会事務局は「投票所の事務員からも『今回は若い人が多い』という感触を聞いた」とする。
背景には新興保守勢力の伸びがある。市民タイムスが行った期日前投票の出口調査では10、20代の3割が「日本人ファースト」を掲げた参政党の候補を支持した。同候補の今選挙の得票率は全体の2割以上に上り、前回選の同党候補の得票率3%強を大幅に上回った。出口調査では「(参政党が)今の気分に一番合っている」(30代女性)といった声があり、若い世代の政治への関心を高める結果となった。
投票率が伸びたもう一つの理由に、投票者数の40・70%に上った期日前投票者の伸びがある。市は投票率の低い南部のてこ入れを図ろうと、市芳川公民館に期日前投票所を初めて設置。全35地区で芳川地区の投票率は前回選で30位、昨年10月の衆議院議員選挙で34位だったが、今選挙は20位に上昇した。市選管の百瀬誠事務局長は「新たな取り組みに一定の効果があった」と手応えを語る。