華やかな音色で球児後押し 松商学園吹奏楽部の金原さん OBの兄の背中に感化 高校野球長野大会
2025/07/21
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松商学園の1塁側スタンドから、吹奏楽部の奏でる華やかな音色が選手を後押しした。1年生の金原藍菜さん(16)もその一人。「自分たちの音が選手たちのパワーになれば。全力プレーで甲子園に連れていってほしい」。熱いプレーに、渾身の演奏で応えた。
六つ年上の兄・蒼樹さんは、令和3年に松商学園が夏の甲子園ベスト16に入った時の野球部員。当時、小学校6年生だった金原さんは甲子園で試合を観戦した。「勝って松商学園の校歌が流れたその時の景色は、今もめちゃくちゃ印象に残っている」。当時は金管バンドに熱中し、松商学園に入って野球部を応援したいとの気持ちが強まった。
野球部を応援する理由はもう一つある。兄の蒼樹さんの存在だ。蒼樹さんの高校時代、金原さんが朝起きる前に自宅を出て、夜は就寝後に帰ってきていた。顔を合わせる時間は限られていたものの、懸命に野球に打ち込む生活を送っていた様子を鮮明に覚えている。最後の夏、ベンチ入りは逃したが、けがに悩まされながらも3年間に情熱を燃やした兄の背中は、球児を応援したいとの思いを募らせるには十分だった。
熱い日差しが照りつけた20日の準々決勝。松商学園が5回に勝ち越すと、金原さんはうれしさから思わず左右にステップを踏んだ。鍵盤ハーモニカから奏でられる「It‘s My Life」の音色も弾んだ。
