「昭和の松本」 英国で反響 映画・まつもと日和上映
2025/07/19
後で読む
松本市民が捉えた昭和時代の映像を基に製作した「まつもと日和」(三好大輔監督、令和5年)の英語版が現地時間の6月22日、英国・ロンドンの映画館「The Castle Cinema」で上映された。製作のまつもとフィルムコモンズによると、現地住民24人が鑑賞した。「自分のふるさとや家族の事を思い出した」といった感想が寄せられ、市民目線で捉えた心温まる映像が異国の地で感動を呼んだ。
英語版の題名は「MATSUMOTO Life in Frames」(マツモト―ライフ・イン・フレームズ―)で、73分の原作を編集し、60分にまとめた。元々は海外の映画祭に出品する目的で昨年末までに完成させた。原作と同様に、市民が家庭用のフィルムカメラで撮影した映像と、映像を見て懐かしむ市民の姿を映す。
三好監督の長男で、ロンドンに滞在している廉太郎さん(25)の友人が、同映画館でアルバイトをしていた縁で上映が実現した。上映後、感想を語り合う座談会があり、多くの感動の声が寄せられたという。英国の地方部出身という30代の男性は「故郷への思いが沸き起こった」と語り、30年以上英国に住む日本出身の女性は「最近父を亡くし落ち込んでいたが、穏やかな気持ちになれた」との感想を残した。
三好監督の妻で、映画プロデューサーの祐子さん(52)は「市民が撮った映像には虚構がなく、異国の地に住む人の記憶を呼び起こすものがあったのではないか」と話す。今後、海外の映画祭への出品も予定していて、「これで終わりにせず、欧州各国など、さまざまな場所で上映したい」と意欲をのぞかせた。
