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2025年

若者たちが参院選を語り合う 政治の話「タブー視せず」 松本で集い

2025/07/18
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 参議院議員選挙の投開票日が20日に迫る中、松本市街地で16日夜、参院選を語り尽くす若者の集いが催された。日本では世間で政治を語ることがタブー視される風潮がある―。そんな思いや実感を胸に、30代の市民有志が企画。さまざまな意見や見方に触れることで疑問や気付きを共有し、一人一人の投票の選択につなげようと、20~40代を中心に20人ほどが集まった。
 日没後、会場の多目的イベントスペース・ギブミーリトルモア(中央3)に仕事を終えた社会人らが一人、また一人とやってきた。選挙公報や県区立候補者のチラシ、新聞、憲法や人権をキーワードとする書籍などを並べ、公約を見比べたり街頭演説を聞いた感想を述べ合ったり。「排外主義的な主張はなぜ広がっている?」「マスコミの公正中立の基準は?」「(米国の)トランプ流の情報発信が日本でも広がっているように感じる」…。疑問や意見をぶつけ合い、じっくりと互いの声に耳を傾けていた。
 パレスチナとイスラエルの戦闘を契機に▽知ること▽考えること▽意見を交わすこと―を争いの抑止力につなげようと一昨年に市内で「本読みデモ」を始めた女性たちや、同スペースを営む新美正城さん(36)が企画した。初の試みのため「実験的に」SNS(交流サイト)や口コミで参加を呼び掛けたところ、反響があった。
 主催者の一人、市内のアルバイト・澤谷映さん(38)は、政治の話を持ちかけた年配者に嫌な顔をされた経験に触れ「話題に出すことがタブー視されている面がある」と話す。「でも政治は生活に直結するもの。もっと自由に語り合い、一人一人が主体的に考える社会が広がるように」と願っていた。

参院選を語り合う若者たち