安曇野の元気な高齢者 地域に笑顔 マリンバ演奏の髙木恭子さん・慰問860回超 マジック指導の矢﨑敬さん・軽妙なトーク
安曇野市には「人生100年時代」を体現している高齢者がたくさんいる。夢中になれる趣味を持ち、趣味を生かして福祉施設などを慰問するボランティアをしながら、自分と同年代や自分より若い世代に元気を届けている人たちがいる。

鍵盤打楽器のマリンバが趣味の髙木恭子さん(86)=豊科=は30代の頃から、介護施設でボランティア演奏をしている。「音楽に親しんで、楽しんでほしい」と続けており、これまでの慰問演奏は860回を超えた。
中学生の頃に音楽教諭から褒められて木琴が好きになり、自己流で学んだ。知人に誘われてボランティア演奏を始め「元気をもらいながら、元気をお分けしている」。
16日には堀金烏川の堀金憩いの里うららでデイサービスの利用者に「川の流れのように」など7曲を演奏した。「私も皆さんと同じくらいの年ですよ」と言うと驚きの声が上がった。
趣味はマリンバの他に俳句、スマートフォンでの写真撮影、以前は教室を開いていたという生け花と多彩。ずっとやりたかった書道も最近始めた。「私何でも趣味にしちゃうんです」と笑った。

「安曇野ひろし」の名で活躍するマジシャン・矢﨑敬さん(91)=豊科=は三郷や豊科などの教室で講師を務め、慰問も長年続ける。60代に文化講座で習って以降、約30年間、独学で腕を磨いてきた。主宰するマジッククラブや教室の生徒に人気の秘けつは技を披露する美しい所作とジョークを交えた楽しい会話。難技に四苦八苦する高齢者らに「大丈夫。皆、元は若者だからちゃんと覚えられるよ」と笑わせる。
マジックに親しみやすいよう、教える時は安全ピンやゴムなど身近な道具を使う。複雑に絡んだストローを一瞬でほどき、ハンカチに刺した安全ピンをスッと横に移動させる。道具もタネもほぼ自作で「頭を使い、教室で友達もでき、喜んでもらえるのが若さの源」。新ネタはえもんかけ3本を活用する。「大勢にマジックを体験してほしい」とほほ笑む。