丸の内病院の作業療法士・田口さん 手のリハビリで全国表彰
2025/07/18
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丸の内病院(松本市渚1)リハビリテーション部課長で作業療法士の田口真哉さん(41)が、本年度の日本リウマチ財団リウマチ専門職表彰を受けた。手のリハビリの先駆者として各分野で技術の普及に努めるとともに、個々の患者に合わせたきめ細かい生活支援やリハビリを進めていることが高く評価された。

令和元年に制定した同賞は看護師や薬剤師、理学・作業療法士に贈られる賞で、県内では初めて。田口さんは甲府市出身で、愛知県岡崎市の病院を経て平成26(2014)年から丸の内病院に勤務している。
リウマチの専門科がある同病院には中南信を中心に1000人以上の患者が通っている。リウマチ治療にはマニュアルがないと言われる中、田口さんは、英国発の手のリハビリ法を駆使して、医師や看護師らとチームになり、患者それぞれの生活スタイルや症状に合った対応を探っている。田口さんの強みについて、同僚の作業療法士・藤井里咲子さん(27)は「個々にあった的確なアプローチができること」と話す。宇田川佳葉さん(27)も「初対面の患者さんの思いを引き出すのが上手」と信頼を寄せる。
手にこわばりのある患者にとって、ボタン掛けやペットボトルのふた開けがしやすくなることは、生活の質の向上につながる。田口さんたちは100円ショップなどで調達した材料を使ってオーダーメードの自助具を作っており好評だ。同賞に推薦した同病院リウマチ科の山﨑秀科長(65)は「薬や注射では解決しないことを患者と丁寧に向き合い解決に導いている」と評価する。
田口さんは「仲間の協力のおかげでもらった賞」と感謝し「これからも手のリハビリを広めていきたい」と決意を新たにしている。