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2025年

支援の食料 在庫ピンチ まいさぽ塩尻 物価高や米不足が影響

2025/07/16
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がらんとした市社協の倉庫。食料の米の在庫も少ない

 塩尻市で生活困窮者に一時的に提供している食料品が、品不足の状態になっている。特に米が少なく、生活相談や食料品配布を行う市生活就労支援センター・まいさぽ塩尻(大門六番町)は、新米が出始める今秋まで在庫が持つのかを懸念している。近年の物価高に加え“米不足”の状況が、福祉支援の面にも影響を及ぼしているようだ。
 市社会福祉協議会が運営するまいさぽ塩尻によると、本年度の食料支援の状況は、4月が15件、5月は26件(県社会福祉協議会のフードバンク直送3件を含む)、6月が19件(同1件含む)。米の配布は4月が17・8キロ、5月は39・6キロ、6月が26キロだった。1人当たり1日2合で1週間分(計14合)を提供してきたが、最近は米不足のため1週間で8合までに制限し、乾麺などで対応している。
 在庫がもみ付きで計60キロ程度にまで減ったため、6月11日に市公式LINE(ライン、無料通信アプリ)で寄付を呼び掛けたところ、もち米を含め46キロが寄せられた。在庫が100キロ弱になったが、十分とは言えない状況だ。多いときは年間2000キロの寄付があった。困窮者への提供は年間450~500キロ、2年度からの新型コロナウイルス禍は約900キロだった。
 食料支援は、困窮した人が生活を立て直す手段として活用する。相談者の生活状況を聞き取り、必要性を判断している。まいさぽの相談支援員・池田弘美さんは「明日食べるものがないと言う人に出せる食料がないのは心苦しい。物価高で大変な中、量は少なくても寄付に協力いただけたらありがたい」と話す。
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 市福祉支援課によると、令和6年度の市内の生活保護の受給は304世帯375人で、市人口の0・5%。受給人数は横ばいだが、面接相談は前年度比6%(10件)増の177件。生活保護に至る前段階の「生活困窮者自立支援制度」のまいさぽ相談の延べ対応件数は1970件で同比17・6%(295件)増加した。