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2025年

松本・鷹匠町のタカノバ 9月で閉店 松本城と旧開智学校結ぶ拠点 契約満了で

2025/07/15
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 松本市の松本城と旧開智学校校舎の二つの国宝を結ぶ鷹匠町の市道(通称・開智通り)沿いにある交流拠点「タカノバ」が、9月15日に閉店する。住民や事業者、学生らでつくる「松本国宝の懸け橋プロジェクト」が地元住民の憩いの場、観光客の思い出づくりの場として令和5年9月に、信光石油(深志2)のガソリンスタンドの跡地にオープンした。信光石油が無償で提供していた2年間の契約期間が終了するためで、跡地の活用を検討していく。
 敷地面積570平方メートルに仮設のプレハブ3棟を設置し、飲食店や土産品の販売店などがある。プロジェクトのメンバーが作ったウッドデッキやテーブルが置かれ、ハロウィーンやクリスマス、夜桜会などで週末を中心に魅力的なイベントが開かれてきた。
 跡地の活用策は決まっていないが、信光石油の甕秀行社長は「プロジェクトの意向を尊重し、活性化に貢献する活用方法を検討したい」と話す。
 プロジェクト代表の荒井洋さん(68)は「2年間無償で貸していただいたことに感謝したい」とし、「仮設でなく、開智通り沿いの空き店舗に常設で店舗を構えてもらうことが当初の目標だった。タカノバが閉店した後もプロジェクトは継続する」と意欲を示す。
 プロジェクトは開智通りの活性化を目指し、昨年9月と11月にトランジットモール(歩行者天国)を実施した。21日も予定しており、タカノバの閉店後も続けていく方針だ。
 ただ、タカノバが開店している状態での歩行者天国は21日が最後となる。タカノバで2年前からキッチンカーでスイカジュースなどを販売している塩入功一さんは「観光客のリピーターもいるので商売を続けたい。開智通りで移転できる場所があるか探したい」と前を向く。

ウッドデッキが備えられたタカノバ。交流拠点として活用されてきた