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2025年

松本市のあぐり奈川 キャベツ収穫機を導入 作業効率が大幅に向上

2025/07/15
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 松本市奈川で農業による持続可能な地域づくりを目指すNPO法人「あぐり奈川」(田中浩二理事長)は今季、キャベツ収穫機を導入し、14日に初の収穫作業をした。同法人によると県内で2例目の導入となる。作業の効率化で、過疎化が進む奈川地区の農地保全や雇用創出を図る。
 国内大手農機メーカー製の約40馬力。国補助金や、JA長野県信連の「地域・農業活性化ファンド」の出資を受け、約1300万円で購入した。コメを収穫するコンバインを基に設計されていて、運転台や刈り取り部、選別台がある。1人が運転台で操縦し、もう2人が後方の選別台に乗って外側の葉や残った根を取り除く。10アール当たりの作業時間は2~4時間(計算値)。人手による収穫だと、10人で丸一日かかっていたが、大幅に能率が向上する。
 同日の収穫作業で機械操縦を担当した同法人職員の日野瑛介さん(25)は「操作感はコンバインと同じ。手作業に比べかなり速い」と効果を実感した。
 あぐり奈川は昨年、同地区で地域振興事業を行う「ふるさと奈川」から農業事業を受け継いだ。キャベツ栽培は標高1000メートル以上の冷涼な気候を生かし、昨年から始めた。今年は5ヘクタールで二期作を行い、350トンの収穫を見込む。松本、安曇野両市の学校給食で提供されるほか、松本市内の業者がサラダに加工し、長野・山梨両県の大手コンビニエンスストアで販売される。
 田中理事長は「徹底した機械化で、地域の農地と雇用を守る使命を果たしたい」と力を込めていた。

あぐり奈川が導入したキャベツ収穫機。前方の刈り取り部で1畝(うね)ずつ収穫する