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2025年

高校球児、激暑との闘い 高野連も対策に苦慮

2025/07/12
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 第107回全国高校野球選手権長野大会は序盤の1、2回戦を終え、12日から中盤戦に突入する。開幕した5日から9日までの松本市沢村の最高気温は、5日間とも30度を超え、9日は35・7度の猛暑日となった。県高校野球連盟も暑さ対策を講じているが「対症療法」に限られており、球児は相手チームだけでなく、厳しい暑さとの闘いを強いられている。

厳しい暑さの中、ベンチで首や顔を氷のうで冷やす選手たち(7日、長野五輪スタジアム)

 5回終了時には8分間の「クーリングタイム」があり、守備時間が20分を超えた場合は一時中断し、選手に給水を促すなどの対応を取っている。しかし、県高野連によると、今大会は既に全4球場で、熱中症に絡んだ症状で治療を受けた選手が出ている。人工芝の照り返しで気温以上の暑さとなる長野五輪スタジアム(長野市)では、7日の試合中に熱中症の疑いで選手が救急搬送された。
 県高野連は独自に、ベンチ裏に扇風機や給水器、冷凍庫を設置、主会場のセキスイハイム松本スタジアム(松本市)には来場者用のミストシャワーを備えるなど、積極的に暑さ対策を講じている。一方で、移動式の冷房機器(スポットクーラー)の導入を検討したものの、取り込む外気の温度が高すぎて冷却効果が見込めずに断念。対策すらも厳しい暑さに阻まれている。
 日本高野連は昨年の甲子園大会から朝夕の「2部制」を導入した。長野県で導入するには、大会日数の長期化に伴う運営人員の確保や、拘束時間の長時間化などが課題になっている。一朝一夕に暑さを緩和する方法はないが、県高野連の寺沢潤一専務理事は「でき得る限りの対策で選手の健康を守りたい」と話している。