豊科郷土博物館 企画展のぼりを再利用し買い物袋に 職員が手作り
2025/07/10
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安曇野市豊科の市豊科郷土博物館が、企画展の屋外宣伝で使ったバナー(のぼり)を再利用し、来館者が購入した書籍を入れて持ち帰るオリジナルの買い物袋を作っている。重量のある書籍や複数冊の書籍を購入した人向けのサービス。大きなバナーを裁断して作るため図柄がダイナミックで、ユニークな袋に仕上がっている。
バナーに使われているのはポリエステル系の印刷用生地で耐水性に優れている。企画展のたびに同館の印刷機で印刷して出入り口に掲げ、企画展が終わると処分していた。
同館では、安曇野自然観察フィールドガイドなどの博物館ブックレット、紀要、20年前に安曇野市が誕生する前の旧5町村時代の町村誌などを販売している。購入者に渡す際に袋がなく、庶務担当の岩越智子さんが「たくさん買っていただくと重い。強度のある袋があればいいが、経費を掛けずに何とかできないか」と考えた。雨の日は大切な書籍がぬれる心配もあった。
袋は岩越さんが自宅のミシンで自作している。これまでに20枚ほど作った。サイズは縦34センチ、横29センチで、1枚のバナーから5袋作れるという。限りある資源の有効活用で、SDGs(持続可能な開発目標)にもかなっている。袋を受け取った人にも好評で、岩越さんは「世界に一つだけと言うと、喜んでもらえる」と説明した。
原明芳館長は「本を買う人は大事に大事に買っていく」と袋が購入した人の役に立つことを願っていた。
