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2025年

塩尻・阿禮神社例大祭 当番部会に初の女性 舞台曳行成功へ決意

2025/07/08
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当番部会で女性初のメンバーの川上さん(左)と小口さん

 ともに塩尻市塩尻町の小口由佳さん(37)と川上味穂さん(52)は、12日と13日に開かれる地元の阿禮神社の例大祭で、7地区の舞台(山車)の曳行などを統括する「当番部会」のメンバーを務める。阿禮神社の塩川秀和宮司(45)によると、過去の当番部会は全員が男性で、女性は今年初めてという。2人とも、部会長の小口勇さん(44)に「性別に関係なく、祭りを安全に盛大に執り行う同志」として抜てきされ、気持ちを引き締めている。
 小口由佳さんは部会長の妻で、川上さんは勇さんと28年前に地元の宮本祭典部に入部した同期の間柄だ。2人とも当番部会を依頼されたが、任務は大変で家事や仕事との両立を考えて断り続けた。川上さんは当時、7地区で初の女性祭典部員で男性だけの世界に入って厳しさや苦労を経験したこともあり、簡単に決断できなかった。
 だが2人は、部会長の真剣な思いや、他のメンバーや家族の協力的な姿勢に心を動かされた。時代の流れで、今では各地で女性の祭典部員が活躍していることもあり、引き受けることにした。
 当番部会は、7地区(宮本、中町、室町、上町、長畝、桟敷、堀ノ内)が持ち回りで担う。今年は宮本で、30~50代の男女14人で構成する。力仕事は男性が主体だが、仕事は基本的に男女対等という。ムードメーカーの小口さんは、祭りのグッズを販売しようと、7地区の各舞台のちょうちんをモチーフにしたステッカーを考案した。料理上手だと評判の川上さんは当番部会の事務所で来客に応じ、手料理でもてなしている。
 当日は、小口さんは舞台に付いて回り、曳行の管理をする。秒刻みで定時に進行させる役目で「常に凜として、野次で何を言われても動揺せずに対応したい」と意気込む。社務所で物販やお神酒の振る舞いをする川上さんは「祭りが終わった時に、当番部会のみんなで支え合ってやり切ったと思えるようにしたい」と話している。
 小口部会長は「本番は長丁場だが頼りにしている。要所要所できちっと仕切ってもらいたい」と期待している。