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2025年

松本の伊東美香さん 国展で初出展で初入選

2025/07/01
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 松本市渚のいとう美香(本名・伊東美香)さん(55)が、東京都の国立新美術館で今春に開かれた国内最大級の公募展「第99回国展」(国画会主催)に初出展し、初入選した。「生と死」「命」をテーマとした100号のアクリル画で、「子どもたちへのラブレターかもしれない」とほほ笑む。
 「レクイエムの朝に見る夢は」と題する作品で、「死ぬ時に見たい景色」がコンセプトだ。アンクを拾い上げて見つめる子どもと、立って見守る子ども、白い鳥が描かれている。子どもが輝いている瞬間を思い出したいと、いとうさんの子どもがモチーフとなった。背景は深い色を追求して何度も塗り重ね、業者が取りに来る2時間ほど前まで描いていた。
 絵にはヤングケアラーを経験し、子ども3人の育児と、重症心身障害児の長女を介護する日々を送り、今は保育士として働くいとうさんの思いが詰まっている。始めはざんげなどの気持ちで描いていたが、子どもたちのイメージが浮かび、「描いているうちに癒やされて、希望が見えてきた」と笑顔を見せる。


絵を描く伊東さん