0000日(木)
2025年

登山道・三股ルートの安全確保に汗 堀金登山案内人組合が整備作業

2025/07/01
後で読む

 安曇野市堀金烏川の三股を起点とする北アルプスの蝶ケ岳、前常念岳方面の登山道を整備する堀金登山案内人組合は6月29日、現地で草刈りや倒木処理を行った。今年の常念岳登山者は、一の沢登山口に向かう主要アクセス道路が路肩崩落で通行止めのため、健脚向きの三股ルートを行く人が例年より多い。遭難事故の増加も心配される中で、組合員たちは丁寧に作業を行った。

登山道をふさぐ倒木を処理する組合員。登っては処理する作業の繰り返しは重労働だ

 組合員ら約20人が蝶ケ岳新道と、前常念岳方面の三股ルートに分かれ、半日かけて整備した。三股ルートでは道を塞ぐ倒木を10カ所近く確認。回り道での転倒や、植生の踏み荒らしの原因になるため、電動のこぎりで慎重に切断し、安全に通れる道を確保した。
 常念岳の登山者は例年だと一の沢ルートの利用が多いが、登山口につながる林道が昨夏の路肩崩落で一般車両が通行できない。このため三股ルートを使う人が多く、三股登山口に登山者が偏る傾向が出ている。29日も、駐車場からあふれた車の路上駐車が30台以上あった。
 三股ルートは急坂や岩場があり中・上級者向けで、登山口から常念小屋までの所要時間は一の沢の1・5倍以上かかる。作業に参加した常念小屋の山田雄太さん(25)は「三股ルートの登山者は例年の倍以上いるのではないか。遅い時間に到着する人も増えた」と話し、遭難事故が増えないか心配する。
 同組合は市の補助を受けて毎年6月に登山道整備をしている。三股ルートは、洗掘による1メートル以上の段差も多いが、資金や人手が足りず足場の設置が十分に行き届かないという。稲越利夫組合長(66)は「地元に住むメンバーの使命感と心意気でやってきたが、いつまで続けられるか分からない。苦労して維持している状況を多くの人に知ってほしい」と話している。