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2025年

「熱中症に注意!」英語・中国語でも 丸の内消防署が救急車で巡回アナウンス

2025/06/28
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 厳しい暑さが続く中、松本市を訪れる外国人の観光客や居住者に熱中症を予防してもらおうと、松本広域消防局丸の内消防署(松本市城西2)は28日、丸の内ビジネス専門学校(城西1)の協力を得て、英語、中国語で注意喚起をする巡回アナウンスを始めた。救急車のサイレン用のスピーカーを活用し、搬送先の病院から丸の内署に戻る際に日本語を含めた各言語で「こちらは、消防署です。熱中症に気をつけて!水分をしっかり取りましょう」とアナウンスを流す。

英語でアナウンスを録音するサシカラさん(左から2人目)

 スリランカ出身の学生・サシカラさんが英語で、中国(内モンゴル)出身の教員・ゲゲンタナさんが中国語のアナウンスを担当し、スマートフォンを使って録音した。日本語のアナウンスは主任教員の佐藤佳子さんが吹き込み、それぞれリハーサルをした後に本番に臨んだ。学生8人が見守り、楽しそうな雰囲気で録音が進められた。
 録音した音声データはすぐに救急車に取り込まれ、試験的にスピーカーから流した。サシカラさんは「スリランカは暑いが日本はもっと暑い。外国から来た人に水をたくさん飲むように伝えたい」と話し、ゲゲンタナさんは「母国語でのアナウンスが役に立てばうれしい」と話していた。
 救急車サイレンの活用は丸の内署の横山功一署長(56)が提案し、昨年の勤務地だった本郷署で熱中症を啓発する日本語のアナウンスを流した。丸の内署は外国人観光客が多く訪れる松本城や旧開智学校校舎を管轄し、中心市街地は外国人居住者も多い。
 同消防局管内の令和6年の救急件数は2万1528件で、2万115人が搬送された。熱中症の搬送は増加傾向で、外国人観光客が搬送される事例も増えているという。横山署長は「外国語で呼び掛けることで啓発を強化し、被害を減らしたい」と話していた。