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2025年

柔道・堀川恵選手が引退 女子63キロ級 松本出身の元世界女王

2025/06/26
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 柔道女子63キロ級の元世界女王で松本市出身の堀川恵選手(29)=パーク24所属=は25日、東京都内で記者会見を開き、同日付で現役を退くことを表明した。令和4年10月に世界選手権で優勝。満を持して挑んだ5年12月のパリ五輪代表選考会を兼ねたグランドスラム(GS)東京大会では苦杯を喫し、五輪出場にあと一歩届かなかった。山あり谷ありの現役生活を振り返り「五輪を目指して真っすぐに走り続けてきたが、立ち止まっていいかなと思えるようになった」と引退の理由を語った。
 会見冒頭、堀川選手は毅然と「本日を持ちまして私堀川恵は引退いたします」と切り出し、柔らかな表情で周囲への感謝を述べた。一方、パリ五輪出場を逃した経験に触れると「ふたをしたいくらいしんどい思い出」と涙を抑えられなかった。
 五輪出場を逃し、以前のように高まった気持ちで柔道に取り組めず、引退も意識したというが「今の出せるものを出したい」と現役を継続してきた。そんな中、今年4月の全日本選抜体重別選手権を故障で欠場。第一線で戦い続けていく気持ちが折れ、引退を決意した。
 今後はパーク24を退社し、柔道家である夫の故郷・北海道に拠点を移す。柔道教室の開催など、後進の育成に意欲をのぞかせた。自身の現役生活を「もう少し、あともう少しと、つかめそうでつかめない夢に手を伸ばし続けてきた」と振り返り「悔しさや涙、うれしさや誇りも全部が私の宝物」と、最後は笑顔を見せた。

花束を受け取り笑顔を見せる堀川選手