勝野眞言さんに恩賜賞 日本芸術院賞 南木曽出身の彫刻家 都内で授賞式 木曽での日々 制作の原点
2025/06/26
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南木曽町出身の彫刻家・勝野眞言さん(71)=埼玉県所沢市=が、卓越した芸術活動をたたえる日本芸術院賞を受け、受賞者の中で特に顕著な業績の人に贈られる恩賜賞にも選ばれた。天皇陛下も出席された授賞式が24日、東京都台東区の同芸術院会館で開かれた。
今回の受賞者は10人で、勝野さんによると式典では、一人ずつ天皇陛下の前に進み出て同芸術院の野村萬院長から賞状などを受け取った。式典後に恩賜賞を受けた3人が陛下に自身の活動などをお伝えした。勝野さんは「子供の頃に木曽の自然の中で過ごした日々が制作の原風景」であることなどを話し、陛下は作品の作り方を質問され、木曽の思い出も話題に上げられたという。皇居・宮殿で受賞者らを招いた6年ぶりの茶会も開かれた。
勝野さんは蘇南高校(南木曽町)卒、武蔵野美術大学大学院修了。崇城大学(熊本市)芸術学部長などを務め、日展会員としても活躍。人の形や命を題材に創作を続け、今回の受賞では「具象彫刻の厳しさと可能性を追求し続ける姿勢は、次代の模範」と評価された。
勝野さんは市民タイムスの取材に「陛下に自分の活動をお伝えするなんて思ってもみないこと」と感慨を語り、今後について「人体を通し自然の大きさや深さを表現したい。今回の経験に見合った人間になれるようもっともっと創作を進めていきたい」と話した。
