塩尻・短歌振興さらに 競技かるたを活用 体験講座・教室 参加呼び掛け
2025/06/24
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多くの近代歌人が交わった塩尻市で、小倉百人一首を使う競技かるたを短歌の振興につなげようという取り組みが動き出した。市教育委員会文化財課の職員で、有段者の中山春菜さん(24)が指導役になり、公民館や学校で体験講座や教室を開く計画が進む。競技かるたを楽しむことを通じて、短歌に興味を持つ人を増やそうという考えだ。
学校以外の場所で学びたい児童生徒向けの「高ボッチ教室」で体験講座を開いた。高出公民館でも8月に計画している。札を知らなくてもできる「3文字かるた」など、初心者向けの内容で行っていく。
7月には広丘公民館で教室を始める。初心者を含めた幅広いレベルの人たちを受け入れるが、まずは初中級者を主な対象に、そこまで読まれれば取る札が確定できる「決まり字」についての知識や、競技の際に随時変わっていく札の配置を暗記したり、どう取っていくかをイメージしたりする手法などを伝える。
中山さんは、競技かるたのB級3段位を持っている。競技かるたを始めようとする子供が減っていると感じたり、聞いたりしたことを受け、市の理事者との懇談で普及策を提案した。「小中学生の段階で触れることで、人生のどこかで“またやってみるかな”と思うきっかけをつくりたい」と話す。
講座などでは、成立の経緯や歌人など、小倉百人一首の説明も交える考えだ。自身は短歌のことはあまり知らないというが「短歌の里として残っていってもらいたい。私はきっかけしかつくれないが、競技かるたを通じて、短歌に興味を持つ人が増えればうれしい」と考えている。