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2025年

共感覚で描いた絵画 原口さん、穂高で個展

2025/06/24
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 聞こえる音が形として見える共感覚のアーティスト・原口知己さん(21)=北佐久郡御代田町=の個展「風の音」が30日まで、安曇野市穂高有明のカフェ&宿泊施設・インティガーデンで開かれている。安曇野の風音を表現した作品など絵画33点を展示しており、原口さんは「共感覚を知ってほしい。その時でないと出合えない音を視覚化して皆さんに伝えたい」と語る。

展示作品と原口さん

 共感覚とは、一つの刺激に対して異なる種類の感覚も自動的に生じる現象で、匂いが音として感じられたり音が味として感じられたりと、さまざまなタイプがあるという。
 原口さんは高校2年生の時に共感覚を自覚した。音楽を聴いていてボールが左右に動いているように見えたという。当時通っていたギター教室の講師にスケッチ画を見せると興味を示したため、聞いた音を形で表現する活動を始めた。「音の観測者」として、見えた音の形を記録に残す意味も込めている。
 個展は北佐久郡軽井沢町、神戸市、沖縄県石垣市で3回開催しており、中信地域では初めてになる。カンバスに絵の具で描いた作品や、表面の黒色を削って下地の色と線で表現したスクラッチボード作品など、抽象的で具象的でもある世界観が表現されている。原口さんは「音には一瞬の美しさとはかなさがある」としている。
 28~30日は原口さんが在廊して、来場者の声を聞いてその場で作品を描いて渡す「あなたの声を描くセッション」も行う。フレーム付きで3500円。鑑賞は午前10時~午後4時で1ドリンク制。予約・問い合わせは同店(電話090・3512・1178)へ。