松本市役所で続く不適切な事務処理 煩雑業務原因?
2025/06/24
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松本市で4月以降、不適切な事務処理が次々に発覚している。市議会6月定例会の委員協議会には5件が報告された。公用車の自賠責保険の更新手続き漏れや、国制度の適用区分の誤りといった初歩的なミスが多い。臥雲義尚市長は再発防止の徹底を誓うが、松本マラソンの不正な会計処理、元職員の着服という不祥事もあり、市政に対する市民の信頼を揺るがしている。
市によると、不適切な事務処理や不祥事は臥雲市長が就任した令和2年度は12件、3年度は11件、4年度と5年度は各10件あった。4年1~4月は8件の不適切な事務処理が確認されたため、同年6月に市議会が対応を改善するよう臥雲市長に申し入れ書を提出している。
その後、6年度は4件と減ったが、本年度は3カ月で既に9件に達し、国から交付されるべき補助金を受けられないといった影響が出ている。報告を受けた議員からは「一向に改善されない理由は何なのか」との厳しい声が相次いだ。
臥雲市長は19日の定例記者会見で、増加する仕事量を抑制する手段としてデジタル化の浸透を図る中で、従来の業務手法を残しながらデジタル化の作業を進めることで起こるミスが「かなりの量に上っている」とみる。行政管理課の長岡大介課長は「デジタル化などさまざまな手法を通じてミスが起きない業務体制をつくり、再発防止を徹底したい」と話す。
市議会の阿部功祐議長は「議会が申し入れをした以降も続いていることを重く受け止めてほしい」とし、今後も続くようであれば全議員の同意の上で再度申し入れをする可能性もあるとした。「デジタル化以前に、全職員がわが事として捉え、担当だけに任せない二重三重のチェック体制を確立してほしい」と望んだ。