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2025年

南木曽 独自に「防災週間」 7月6~12日 梨子沢土石流の教訓継承

2025/06/24
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 中学生1人が亡くなった梨子沢土石流災害が平成26(2014)年に起きた南木曽町は今年から、災害があった7月9日前後の1週間を「町防災週間」(6~12日)として期間中の啓発活動に取り組む。これまでは9日に被災地で献花式を開いていたが、昨年で発生から10年の節目を迎えたことを機会に、新たな活動で記憶の継承や防災意識高揚の機会づくりにつなげていく。

 災害は午後5時40分ころ、町中心部の読書を流れる木曽川支流・梨子沢で起きた。住宅や工場など全壊16棟を含む計43棟の建物が被災し、534人が避難。橋の流出などでJR中央西線が約1カ月不通となった。
 防災週間では、関係機関とも連携しながら講演会の開催などを行う。今年は9日に南木曽小学校で防災学習会を開き、国土交通省多治見砂防国道事務所(岐阜県多治見市)に教わり全校児童が防災を考える。町民も聴講できる。
 町では梨子沢以前も度々土石流災害が発生し、被害をもたらしてきた。土石流は地域で「蛇抜け」と呼ばれ、梨子沢の被災地跡には当時流された大きさ1メートル以上の岩を使った「平成じゃぬけの碑」を町が建てて記憶を伝えている。
 町は「南木曽は災害が多い地域。住民一人一人が防災意識を高め、教訓を次世代に伝え備えていく週間にしていきたい」と話している。

梨子沢土石流災害の被災地跡に建てられた平成じゃぬけの碑。町は災害発生前後を防災週間として啓発活動に取り組む