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2025年

朝日・古川寺~山形・清水寺 古道歩く

2025/06/22
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 朝日村古見の古川寺そばの古道から山形村清水高原の清水寺を歩いて訪ねる企画が21日、初めて開かれた。かつて地域間の往来や参拝の道として盛んに使われていたものの、時代の流れとともに活用機会がほとんどなくなっていた古道を朝日村観光協会、村、村民有志らが今春に整備して復活させた。村内外の約30人が歴史文化や往事の人々の生活の様子に思いをはせながら歩いた。

 出発前に古川寺の本堂や本尊、江戸時代に製造された貴重な和時計などを見学した。同寺の裏山から古道に入り、地元の山に詳しい清澤俊樹さん(72)=古見=の案内で歩いた。清澤さんは「自分が子供の頃は小学校の遠足やキャンプでこの古道を歩き、清水寺まで行っていた」と紹介。時代の変化で地元の人でも古道を知る人は少なくなり、特に平成28(2016)年1月の雨氷で倒木被害が相次いだことで歩く機会が減っていたという。
 清水寺では寺管理人の岡上まりさんの案内で、仁王門、参道に並ぶ百体観音、本堂を見学した。百体観音の中には朝日村の人がまつった石仏が多くあり、古道を使って運んだと伝わる。朝日村古見の清澤直美さん(67)は「途中急な道もあったけれど、古道を知れて良かった」と話した。山歩きが趣味の山形村小坂の佐藤善則さん(80)は「朝日からの古道は初めて歩いた。いい機会になった」と喜んでいた。
 企画した朝日村観光協会の上條喜美雄事務局長は「隣り合う村で寺や住民同士の縁も深い。両寺の見学や古道散策を今後も楽しんで」と呼び掛けていた。

朝日村から続く古道を歩き、山形村の清水寺を目指す参加者たち