国立公園で森林浴しよう 「中部山岳」と「沖縄やんばる」での交流事業スタート
2025/06/21
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世界自然遺産を含む沖縄県のやんばる国立公園と、松本市の山岳景勝地・上高地などを誇る中部山岳国立公園の二つの国立公園をフィールドとした森林浴の交流事業が、両地域の関係団体によって始まった。五感で森に触れる体験を通じて観光や産業の振興、健康増進や地域おこしを図ろうと、森林浴の普及を目指す松本市の任意団体ナチュラルリンクが沖縄県・国頭村に交流を打診。関係者が双方の森を行き来した初年度の活動報告会を7月4日に松本市立博物館で開く。
ナチュラルリンク代表で元環境省中部山岳国立公園利用企画官の甲斐原さなえさん(48)が、一昨年にやんばるの森を視察し、交流を持ちかけたのが始まり。森林セラピー協会を立ち上げて先進的な活動を展開する国頭村に学びながら、中部山岳国立公園でも森林浴の普及を図りたいとの思いがあった。
交流事業は昨秋始動し、公募を含めた両地域の30人以上が互いの森を訪れた。沖縄の人々には標高が高く空気が澄んだ上高地の自然が新鮮に映り、松本の人々は海だけではない沖縄の魅力を知ったという。
一昨年に長野、沖縄両県が連携協定を結び、民間も含めた多分野の交流促進が期待される中、本年度も人的交流を進め、将来的には旅行商品の開発やビジネスモデルの創出にもつなげたい考えだ。甲斐原さんは「国立公園の素晴らしい自然の中でぜひ五感を開放してほしい」と話している。
報告会は午後6時から。国頭村との中継や両公園の自然をイメージした樹木系精油のアロマワークショップもあり、来場者に沖縄県の物産や報告集を贈る。参加費は4000円。申し込みはナチュラルリンク公式サイトへ。
