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2025年

安曇野の民俗 冊子で紹介 市教委がブックレット第3弾発行

2025/06/21
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 安曇野市教育委員会は、市誌編さんに向けた調査活動を紹介する冊子「安曇野市誌ブックレット」の第3弾を昨年度末に発行し、販売している。タイトルは「安曇野文化圏の生成」で、民俗分野の専門調査員の一人、元中学校教諭の福澤昭司さん(73)=松本市=が執筆。盆行事や御柱といった民俗事象の分布などを解説している。
 福澤さんによると、安曇野は昔の千国街道を通って南北から伝わる民俗や文化の結節点だった。代表例では、大町方面からは商売の神とされる大黒様信仰が穂高地域まで、伊那方面からは養蚕の繁栄を祈る蚕神信仰が豊科・堀金周辺まで伝わり、石碑や石像が残っている。
 冊子では、福澤さんが旧5町村史などをひもとき各地を回って調べたさまざまな民俗事象の分布を、写真や表を交えて紹介している。「自分が住む地域だけでなく市全体にどんな習俗や文化の特色があるかを知り、市民のアイデンティティーを育んでほしい」と話す。
 A5判フルカラーの全79ページ。500部限定で、価格は500円。市文書館と豊科郷土博物館で販売している。

安曇野市誌ブックレット3「安曇野文化圏の生成」を執筆した福澤さん