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2025年

塩尻・大門再開発の計画策定へ 市街地36ヘクタールが対象 ソフト面重視

2025/06/20
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県道が通る大門商店街。再生計画では再開発候補地区も位置付けられる

 塩尻市は、向こう10年間のまちづくりの指針「大門地区市街地総合再生計画」(令和7~16年度)を策定している。同様の計画を平成17(2005)年に策定以来20年ぶりの更新で、優先的に取り組む「再開発候補地区」を設定する。人を中心に市の「顔」となる場所の再活性化を目指す。23日まで計画案への市民意見も公募している。
 大門の中心市街地(約110ヘクタール)のうち計画対象区域は、JR塩尻駅や市役所、商店街周辺の約36ヘクタール。開発機運や公益性が高いと考えられるエリアを再開発候補地区とし、駅前のグレイスフル塩尻南側やウイングロード(WR)ビル西隣など県道沿いの5カ所を挙げる。広さは約1200~約4000平方メートル。
 今計画ではソフト面も重視する。「つなげるまち、大門」をコンセプトとし、「市内外の人のチャレンジが進む」「居心地よく歩きたくなる」などの六つの将来像も掲げる。住民、事業者、地権者が主体となり環境や価値を維持・向上させる「エリアマネジメント」の考えを盛り込み、市はこれを支援する方針。
 市は令和5年に中心市街地活性化プロジェクトチームを設置、住民も交えて検討を始めた。市のまちづくり会社・しおじり街元気カンパニーを中心に勉強会も開き、計画案には会議に参加した若者の意見も取り入れた。
 大規模な法定再開発はWR(平成2~4年)、えんぱーく(同19~22年)、グレイスフル塩尻(同22~24年)で実施し、優良建築物整備も行われてきた。ハード整備中心だった従来とは異なる手法で、歩行者中心のまちを目指し、今月から商店街の県道の一部を歩行者天国にし、順次延伸していく実証実験も進める。
 活性化プロジェクトリーダーの石坂健一副市長は「大門は市の発展の礎となった場所。復活できれば周辺に波及するトリガー(引き金)となる。伸びしろしかない」と語る。