松本35.3度で観測史上最も早い猛暑日 6月では異例の熱帯夜も
松本地方は17日、高気圧に緩やかに覆われ、日中の最高気温は松本市沢村で35.3度(平年比8.9度高)、安曇野市穂高で35.6度(同9.5度高)となり、いずれも観測史上最も早い猛暑日となった。松本では16日夜から17日朝にかけての夜間も気温が下がらず、6月としては異例の熱帯夜になった。
松本市中心街は17日の午前中から、日傘を差したり、つばの大きい帽子をかぶったりして炎天下を歩く観光客らの姿が見られた。槍ケ岳山荘スタッフの藤本沙也さん(23)=松本市埋橋1=は、市内を訪れた友人の仲山海音さん(22)=大阪市=と市街地を散策中、女鳥羽川河川敷に木陰を見つけて涼んだ。藤本さんは「この時期でこの暑さは恐ろしい。夏の間は下界に下りて来たくない」と話していた。
長野地方気象台によると、これまでの最も早い猛暑日は松本が平成17(2005)年、穂高が同年と令和4年のそれぞれ6月25日だった。今年は過去の記録を1週間以上更新したことになる。
17日の松本は南風の影響で未明も気温が下がらず、午前0時~9時の最低気温が25.1度と、夜間の気温が25度を下回らない熱帯夜を観測。明治31(1898)年の観測開始以来、6月に25度以上の最低気温を観測した日はなく、同気象台は「記録的で異例な暑さ」としている。
松本広域消防局によると、17日は午後5時までに5人が熱中症の疑いで救急搬送され、うち安曇野市と松本市の70代の男女計2人が中等症とみられる。
18日の県内は引き続き高気圧に覆われて気温が上昇する見込み。松本の朝の最低気温は20度、日中の最高気温は35度と予想されていて、気象庁によると向こう2週間は平年に比べ気温がかなり高くなる予想だ。気象台は「まだ体が暑さに慣れていない時期なので、こまめに水分補給や休憩をし、部屋の中でもためらわずにエアコンを使ってほしい」と熱中症対策を呼び掛けている。
