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2025年

旧松本パルコ 商業施設の開業延期か 当初の11月が来春に 入居予定のテナント困惑

2025/06/14
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 2月末に閉店した旧松本パルコ(松本市中央1)の建物で、商業施設の開業を計画する商業コンサルティングのやまき(東京都港区)が、当初11月に予定していたグランドオープンの日程を、来春に延期すると関係者に伝えていたことが13日までに分かった。施設への入居を予定していた旧パルコのテナント関係者からは困惑の声も聞かれる。
 旧パルコの複数のテナント関係者によると、パルコ閉店直後の3~4月にかけて、やまき側の担当者から電話や電子メールで連絡があった。やまきはパルコ閉店以前、「パルコの閉店直後からテナントの営業を続けながら建物の改装を行う」などとテナント側に説明していたが、「施設運営体制の構築が困難な事態となった」として、延期することを伝えた。あるテナント関係者は「建物が老朽化していて営業許可が下りなかった」とやまきの担当者から説明を受けたと話す。
 施設への入居を予定していたテナント関係者は、従業員の解雇や他施設への移転などの対応を余儀なくされている。「やまきから賃料などの条件が提示されていない」という関係者は「状況が全く見えない。松本で商売を続けたいが、他の施設に移るかもしれない」と話す。別のテナント関係者はやまきに営業補償を求めたが、「前例がないのでできない」との理由で断られたと証言した。
 テナントに送られた電子メールは関連会社の「やまきプロパティ」(同)の担当者が送信元となっていた。市民タイムスが13日、この担当者に電話取材をしたところ「メールは送っていない」と送信した事実を否定した。一方、やまきの担当者はメールの内容や送信の有無について「確認する」としている。
 旧松本パルコを運営したパルコ(東京都豊島区)などによると、パルコが所有していた旧松本パルコの建物や土地の所有権、賃借権は3月31日付でやまきの関連会社の「やまきまちづくり研究所」(同港区)に移転した。
 旧パルコの後利用を巡っては、やまきがライブステージなどを備えた「劇場型SC(ショッピングセンター)」として開店を計画していることが明らかになっている。

出入り口が閉ざされたままの旧松本パルコ