梅雨晴れ 牛のびのび放牧 塩尻・高ボッチ高原
2025/06/14
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係留地から高原の牧場に放される牛たち
塩尻市の高ボッチ高原にある牧場で13日、乳牛の放牧が始まった。初日は市内と松本市の酪農家2軒の15頭ほどが約50ヘクタールの広大な牧場に放された。梅雨の小休止で青空が広がる中、牛たちはのびのびと草をはんでいた。
この日は高ボッチ牧場牧野組合に加盟する松沢英樹さん(40)=塩尻市片丘=と、波多腰和寿さん(54)=松本市波田=が妊娠中の雌牛を運び入れた。牧場は標高1500~1600メートルの位置にあり、夏でも涼しい高原に放牧することで丈夫な体を作る。10月に下山し、年明けの出産に備える。
到着した牛たちはトラックから出るのを嫌がっていたが、広々とした牧場に出ると元気に走りだし、早速草をはんでいた。レンゲツツジが見ごろを迎えたこともあって台上には観光客も多く、牛を見つけた人はその姿をカメラに収めていた。
松沢さんは「けがなく元気に育ってほしい」と願っていた。放牧は毎年6月中旬に開始しているが、長年、牛を放しているという波多腰さんは「昔は半袖だと寒くていられなかったし、レンゲツツジもあまり咲いていなかった。温暖化を感じる。でも夏涼しい高ボッチの環境はありがたい」と話していた。