安曇野市 高齢者の補聴器購入費を助成 非課税世帯対象 介護予防へ新制度
2025/06/14
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安曇野市は、耳が聞こえづらいことで生活に不便を感じている市民税非課税世帯の65歳以上の人を対象に、補聴器購入費用の一部を補助する新しい制度を始める。聴力低下が原因でコミュニケーションが不足したり家に閉じこもったりすることを防ぎ、心身の衰えや介護の状態にならないように支援する。7月7日に、相談と申請の受け付けを始める。
市によると、県内19市では昨年度時点で大町市や諏訪市などの4市が同様の補助制度を導入している。安曇野市は全国の事例を参考に制度設計した。
補聴器本体の購入費用を3分の2(上限3万円)補助する。聴覚障害で身体障害者手帳の交付を受けていない人や、市税などの滞納がない人が対象。申請に当たっては耳鼻咽喉科を受診し、医師が補聴器の装着が必要と認めたことを示す「医師意見書」を取得する必要がある。補聴器を最善の状態で使用できるよう、「認定補聴器技能者」が在籍する販売店で購入することも条件になっている。
同市豊科の認定補聴器専門店・リオネットセンター安曇野店によると、補聴器は大きく分けて▽耳あな型オーダーメード▽耳かけ型▽ポケット型―の3種類がある。価格はタイプにもよるが、およそ6万5000円~約60万円と幅広い。高価なため、難聴で困っていても買えない人がたくさんいるという。同店認定補聴器技能者の赤羽直美さんは「一人でも多くの方に着けてもらって幸せになってほしい」と願う。
高齢者介護課は「住み慣れた地域で在宅で安心して生き生きと生活してほしい。補助金を機に、購入に二の足を踏んでいた方も検討していただき、快適な生活を送ってもらいたい」としている。
