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2025年

「随意契約」の備蓄米いまだ並ばず 「入札米」流通で品薄感は解消

2025/06/13
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 米の高騰対策として政府が随意契約で放出し、全国で販売が始まっている2022年産(古古米)の備蓄米が松本地方にいまだ入ってきていない。県内では長野市などで販売されているが、松本地方のスーパーやディスカウントストアは入荷時期を未定としている店が多い。6月中旬には入荷するとみられるが「消費者を混乱させる恐れがある」(松本地方のスーパー売り場担当者)として、具体的なスケジュールを公表せずに店頭に並べる方針の店もある。
 県内での備蓄米の販売は、JA全農長野が第1次放出分として落札した2023年産の「古米」がブレンド米として4月から販売されており、今もスーパーの店頭で3000円ほどで売られている。
 10日に5キロ入りの「古米」の備蓄米が20袋入荷した松本地方のスーパーでは、3日間で14袋が売れた。同店には備蓄米以外に新潟県産のコシヒカリなども販売されていて、売り場担当者は「一時の米不足は解消した」という。「古古米」は入荷しないが、2021年産の「古古古米」の入荷は6月下旬から始まる予定だ。担当者は「まずは米の品質を確認するために試食したい」と話していた。同店で、備蓄米よりも高い新潟県産の銘柄米を購入した松本市の大沼伸一郎さん(91)は「家族5人なので5キロ入りは10日間ほどで食べ切る。次は安い備蓄米を買って食べてみたい」と話していた。
 随意契約による備蓄米に関して、コンビニエンスストア大手のローソンは14日から全国の店舗で販売すると公表しており、ファミリーマートも6月中旬の販売開始を計画している。松本地方のスーパーの店頭に並ぶのも近いとみられるが、同地方でチェーン展開する食品販売店の担当者は「古古米の備蓄米の入荷量はあまり多くないので、銘柄米の価格低下につながるかは不透明だ」と話していた。

松本地方のスーパーで銘柄米を購入する消費者