広島の高校生が描いた「原爆の絵」紹介 安曇野市で平和展 新婦人穂高支部
2025/06/12
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昭和20(1945)年8月に広島と長崎に原子爆弾が投下されて80年となる節目に合わせた催し「被爆80年―平和展」(新日本婦人の会穂高支部主催)が13日まで、安曇野市穂高交流学習センターみらいで開かれている。広島市の高校生が描いた「原爆の絵」など被爆の実相を伝える資料を展示し、戦争の愚かさを訴えている。
広島平和記念資料館(広島市)が平成19(2007)年度より取り組む共同制作で、地元の基町高校の生徒が、被爆者からの聞き取りを基に、その記憶を再現した絵画20点の複製画を紹介した。原爆投下翌日、爆心地から半径2キロ以内の全焼区域で証言者が目にした惨状を克明に描き出した作品「おびただしい遺体」などがある。
日本原水爆被害者団体協議会(日本被団協)のノーベル平和賞受賞を受け、企画の準備を進めてきた。原爆投下直後の写真も並べ、同支部の二子石京子支部長(71)は「核と人類は共存できないという被団協の訴えにならい、核兵器禁止条約への日本政府の批准を求めたい」と力を込める。
会期中は毎日午前11時から、戦争や平和を題材にした紙芝居の披露や絵本の読み聞かせをしている。同支部が編集し、米軍爆撃機B29による爆弾投下で住民が死傷した「穂高・有明空襲」の証言などを集めた冊子『私の戦争体験』の頒布(100円)や、同支部が戦争遺跡を巡り、制作した地図資料の掲示などもしている。事務局の髙橋則子さん(73)は「平和への取り組みを次代へとつないでいくための機会にしたい」と来場を呼び掛ける。
入場無料。開場は午前9時~午後7時(13日は3時)。
