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2025年

松本の新伊勢町町会 駅前の花壇手入れ30年以上

2025/06/11
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 松本市の新伊勢町町会(山越晴彦町会長)は、平成元(1989)年に「花の会」をつくって以来、地元の松本駅お城口の北側歩道で、花壇やプランターに花を植えて、松本の玄関口を美しく彩る活動を続けている。ただ、最近は夜間営業の飲食店が増えて住む人が少なくなり、手入れが難しくなってきた。会員の高齢化も進み、活動の継続に頭を悩ませている。

松本の玄関口で花壇整備に取り組む新伊勢町町会の会員たち

 花の会は、お城口北側の歩道約50メートルの間で2カ所に整備された花壇と、その前に設置したプランター15個を管理している。花壇には6年ほど前からアジサイを少しずつ定植し、30本に増えた現在では、青やクリーム色の数種類の花が美しく咲くようになってきた。8日は70~80代を中心とした会員6人が作業に参加し、花の苗をプランターに植え、花壇の草取りに汗を流した。
 新伊勢町はかつて居住しながら店を営んでいる人が多かったが、後継者がいないことなどから閉店が相次ぐ。一方で、テナントとして入る夜間営業の居酒屋やバーは増えた。町会に加入しているのは約130軒だが、居住しているのは15軒ほどで高齢者世帯が多い。うち実際に町会の仕事に携われるのは10人にも満たず、何役も役員を掛け持ちしている人も出てきた。
 水やりや草取りなど、花の時期には毎日手入れをしている土田善敬さん(79)は「外国人観光客が花を撮影するなど、道行く人は喜んでくれているが、後を継いでくれる人がいない」とこぼす。山越町会長は「駅前の一角なので、少しでもきれいにしたいが、今後はどうしていったらよいか」と話している。