家庭児童相談 高止まり 塩尻市6年度まとめ 新規受け付け42件増
2025/06/10
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塩尻市が令和6年度に受けた児童虐待や育児に関する「家庭児童相談」は延べ1778件で、前年に比べ120件減った。3年連続で減少したが、新型コロナウイルス禍前(令和元年度1650件)には戻っておらず、高止まり状態が続いている。
昨年度に新規で受け付けた相談件数(実数)は232件で、令和5年度に比べ42件増えた。このうち児童虐待相談は87件(37・8%)で、子供の前で家族に暴力を振るう心理的虐待が55件と最も多く、親が子供をたたくなどの身体的虐待が21件と続く。
心理的虐待は夫婦げんかによる面前DV(暴力)が大半だ。相談経路としては、児童相談所、学校、家族・親戚の順番で多くなっている。
統計結果は5月28日に塩尻総合文化センターで開かれた、市要保護児童対策地域協議会の代表者会議で報告された。会議では出席団体から、周囲の大人と子供の信頼関係を築く取り組みや、その大切さが語られる場面もあった。
子供の数は減る一方、相談件数は少なくない。市は「複合的な要因がある」と捉え、相談窓口の周知が進み、相談しやすい状況になったことも件数伸長の一つとみる。核家族や共働き世帯の増加で親子の関わりの希薄化や家庭の養育力低下も懸念される中、市こども未来課は「子供たちの安心安全を守る体制を強めていきたい」としている。