塩尻・木曽平沢の古民家で災害対応確認 県社協などが支援研修
2025/06/06
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塩尻市木曽平沢の古民家で5日、県社会福祉協議会などが主催する災害支援研修が開かれた。県内の市町村社協職員ほか、災害救援団体、防災士、地域住民ら計46人が参加し、座学と実技で災害時の対応を学び、防災の観点から空き家対策を含む有事に備えたまちづくりについて考えた。
参加者は2班に分かれて座学と実技を行い、座学では、漆工町として国の重要伝統的建造物群に選定されている木曽平沢のまちづくりや建物の利活用について、木曽平沢を拠点に活動する建築士・川島宏一郎さん(51)に話を聞いた。実技では、川島さんが約2年前に取得した、明治~昭和期の築100年以上の旧漆器店の建物・倉庫で、崩れた土壁の除去や木材の搬出を体験し、専門技術を伴う需要への対応方法を学んだ。
研修を受けた地元の防災士・田鹿武彦さん(69)は「空き家が避難の邪魔になると気が付いた」と話していた。
東日本大震災以降、全国の災害被災地を巡り、現在も石川県で活動する、災害NGO結代表の前原土武さん(47)も講師として参加した。前原さんは「災害時は普段できることしかできない。平時から各団体とつながり、相談したり研修したりすることが大事だ」と呼び掛けていた。
県社協は、地域課題の解決に向けた新たな連携と地域資源の創出の可能性を模索する試みとして、今回の研修を初めて企画した。空き家となった古民家が地域のコミュニティー空間として再生されることも期待している。