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2025年

オオキンケイギク猛威 松本・安曇野市境の梓川 地道な駆除作業重要に

2025/06/05
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 松本市と安曇野市の境付近を流れる梓川河川敷で、特定外来生物に指定されている多年草のオオキンケイギクが今年も繁殖して黄色い花を咲かせている。松本市島内の梓川右岸堤防道路沿いでは、昨年まではほとんど見られなかった中央橋の上流部にまで繁殖範囲が広がり、さらなる拡大が懸念される。
 昨年までは下流のアルプス大橋から梓橋、中央橋にかけての約5キロの範囲で堤防に群生して咲いていた。今年は中央橋からさらに750メートルほど上流部まで群生の範囲が広がり、河川敷とは反対側の堤防の斜面までが黄色に染まっている。
 昨年6月に松本市から委託を受けて業者がオオキンケイギクの駆除を行っていた梓橋近くの堤防は、昨年以上に花が増えている場所もある。市環境・地域エネルギー課の担当者の金井悠一郎さんによると、これは地中に埋まっていた種が発芽する現象で、「特定外来生物のオオハンゴンソウの完全駆除に成功した神奈川県箱根町でも、駆除を始めた当初は埋土種子が発芽して増えた。3年継続すると効果が表れると聞くので継続したい」と話す。
 同時期に市職員が約70人がかりで駆除に汗を流したあずさ運動公園付近は、ほとんどオオキンケイギクがなくなっており、丁寧に根ごと抜き取った成果が見られる。
 オオキンケイギクがとりわけ大繁殖している梓川左岸の梓橋~長野道の橋の間でも、安曇野市が今年から駆除を始めた。一度繁殖してしまうと完全駆除は極めて困難だが、息の長い地道な取り組みが求められる。
 オオキンケイギクの駆除の適期は結実する前までだが、開花前の4月下旬から5月上旬に行うのが理想だ。結実後に駆除作業を行うと種が飛び散り逆効果となる。松本市のホームページでも駆除の方法を紹介している。

梓川右岸の中央橋の上流部にも繁殖域が拡大したオオキンケイギク