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2025年

安曇野市 空き家解体補助制度見直し 利用者増加に対応

2025/06/05
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 安曇野市は増加する空き家の解消や活用を促すため、空き家を解体する際に利用できる補助制度を本年度に見直した。限られた予算の中でより多くの空き家所有者が利用できるよう、「土地利用基本区域」ごとに定めている上限額を一部で引き下げた。昨年度は過去最多となる29件の利用があり、制度が空き家の処分を考えるきっかけになっている。
 対象経費の3分の1を補助している。上限額は、市内を区分けしている土地利用区域ごとに設定しており、拠点市街区域、準拠点市街区域、田園居住区域の3区域は70万円を50万円に引き下げた。災害時に倒壊などの危険性が高い旧耐震基準の空き家については上限額を据え置いた。
 上限額を引き下げる理由の一つとして移住定住推進課は「まだ使える新しい家屋はリフォームなどで活用してほしいという思いもある」としている。
 制度は令和2年度に創設された。当初は上限額が市内一律50万円だったが、4年度途中で見直して土地利用基本区域ごとに上限額を設定した。昨年度は当初予算分が半年でいっぱいになったため増額補正で対応した。本年度は30件分の1500万円を予算化した。
 移住定住推進課は「昨年度の実績を見て需要はそれだけあると認識した」としている。
 制度は、空き家を解体後に不動産業者を通じて敷地を第三者に売却する場合に利用できる。取得して5年以上が経過した戸建て物件が対象になる。解体契約や解体、売買契約などの着手前に補助申請する必要がある。
 市内の空き家は増加傾向にある。市は区長からの報告、空き家がある近隣住民からの情報、現地調査によって把握しており、昨年度は前年度比45戸増の1024戸だった。