「お木曳き」上松に熱気 伊勢神宮・式年遷宮祭へ御神木祭始まる
2025/06/05
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伊勢神宮(三重県伊勢市)の式年遷宮(令和15年)に向け、上松町で切り出されたご神木を伊勢へ送り出す奉祝行事・御神木祭が4日から3日間の日程で、町内で始まった。ご神木を引いて練り歩く「お木曳き」が行われ、引き手約1100人と詰め掛けた多くの見物客の熱気が町にあふれた。
前日の御杣始祭で切り出され、化粧掛けが施された6・6メートルのご神木2本を引いた。午前10時10分過ぎに同町小川にある施設・よろまいかをスタート。木曽川を渡り、十王橋を経由して商店街、JR上松駅前に至るルートを7区間に分け、各区間担当の引き手が引いた。前日の大雨から一転、祝福するような初夏の日差しを浴びながら、木やり歌に合わせて「よいしょ、よいしょ」と掛け声を上げて前へ進んだ。
引き手には多くの町民や町内出身者も加わった。保育士の加藤恵美子さん(66)=荻原=は、長男・春紀さん(36)、長女・愛理さん(33)と参加し、「一緒に引けて良い思い出になった」と笑顔を見せた。春紀さんは「20年後も一緒に引けるよう、母に元気でいてもらいたい」と話した。栄町出身の会社員・香川杏奈さん(26)=大阪市=は、6歳だった平成17(2005)年の前回御神木祭でも引き手を務めた。「活気や楽しさは記憶のまま」と懐かしむとともに、今回の参加を通して「自分や(当時一緒にご神木を引いた)友人たちの成長を感じる」と語った。
ご神木が通る道沿いでは、見物客が写真を撮ったり旗を振ったりして盛り上げた。公務員・吉田健吾さん(33)=小川=は「地域全体での盛り上がりを感じる。上松に活気が戻るきっかけになれば」と願っていた。
5日もJR上松駅周辺が歩行者天国となり、奉納行事や木曽芸能祭、物産展などが行われる。
