楢川診療所に「ものわすれ外来」 月1回、専門医が対応
2025/06/05
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塩尻市国民健康保険楢川診療所(木曽平沢)に今年2月、「ものわすれ外来」が開設された。高齢化に伴い増える認知症に対応する外来で、月1回、専門医が様子や症状が気になる当事者とその家族の相談に乗ったり診断・治療をしたりしている。

毎月第4月曜日に専門外来として受け付け、5月の診療日の26日は新規で3人が訪れた。患者一人当たり30分程度と診察に時間を要する。一般診療も行うため、現時点で対応できる人数は限られるが、簡易な知能検査も受けられる。桔梗ケ原病院で脳の画像検査も受けられるようにし、他の医療機関とも連携した。これまで同外来には延べ14人(実人数7人)が訪れた。
楢川診療所の診療業務を行う松本市立病院の名誉院長で、脳神経外科医・中村雅彦さん(65)が担う。日本認知症学会と日本認知症予防学会の専門医でもある中村医師が、高齢化率(人口に占める65歳以上の割合)が5割超と市内で最も高い楢川地区で需要があるとみて開設を提案した。
健常と認知症との境界領域の「軽度認知障害」が多く、早期の発見と治療対応が重要だそうだ。中村医師は「薬に対する正しい理解と、家族や周りの接し方も大事。気軽に来てほしい」と話す。
同診療所は昨年度に診療日数が週1日から2日になり、外科など診療科目も増えた。受診者は昨年度は延べ620人(実人数143人)と、前年度比で4割増えた。本年度から特定健診の実施期間を拡大、肺炎球菌や帯状ほうしんの予防接種を年間実施し、利便性を高めている。